2020.07.01

7月のたより

梅雨の中休みには、太陽がサンサンと降りそそぎ、真夏を感じさせる日が続いています。夏は、子どもたちの心を解放し、活動も一段とダイナミックになっていきます。戸外では、水と戯れて水遊びを楽しんだり、どろんこ遊びに没頭したりするのもこの時期ならではの子どもの姿でしょう。幼稚園から持ち帰るものの中に、たくさんの洗濯物があるかもしれません。それは、子どもが五感を働かせてたっぷりと遊び、存分に楽しく遊んだ“しるし”でもあり、またそこには、子どもの笑顔があふれていた“証”のおみやげとして受け取っていただけると幸いです。

幼稚園が再開となり1ヵ月が経とうとしています。考えてみればまだまだ新年度といったところでしょうか?ただ、このわずかな1ヵ月の間に、子どもたちは“新しい環境”で“新しい生活様式”の中、友だちとの交わりを通して園生活を楽しむ姿がたくさん見られるようになりました。例年の新年度の様子とは異なり、一人ひとりが新しい生活を受け入れているように感じています。その背景には、2か月間の自粛生活を通して、お家の方とお家時間をたっぷりと過ごしたことが関係しているのでないかと思っています。窮屈な生活の中にもきっと満たされたものもあり、また友だちや人との交わりの大切さに気付いたこともあるのではないでしょうか?子どもたちの様子からそんなことを感じています。もちろん、時に不安になる子どももいて保育者をよりどころにしながら、また小さな生き物(ダンゴムシやメダカ)に支えられながら自分の居場所を探している姿もあります。
先日、一人の子どもが泣いているところに年長児が近寄り、「おかあさんにあいたくなったん?」と声をかけてくれました。泣いている子どもは応答することはできませんでしたが、きっとその子どもの心に年長児の共感してくれた気持ちが届いていると思います。聖モニカ幼稚園では、同年齢はもちろん異年齢の交流も盛んに行われています。子どもたちは、さまざまな交わりの中で私たちが感じる以上に、お互いのことをよく分かっています。保育者が声をかけるよりも、子ども同士の一言の方が心に響くことはよくあり、教えられることもたくさんあります。コロナ禍にあっていろいろな制約もありますが、互いに寄り添いながらともに育ち合っていけるよう願っています。

                                                園長 松尾 栄理香