聖モニカ幼稚園園庭にある“ユキヤナギ”には若芽が芽吹き、春の訪れを知らせてくれているようです。寒さの中にもおひさまの光や柔らかさに、また球根の芽の生長などからも春の訪れを感じることが多くなりました。春を感じるような陽気があったかと思うと冬に戻ったように気温がぐ～んと下がり、春と冬を行ったり来たりの季節です。それは、卒園（就学）・進級を控え、喜びと期待そして不安な気持ちを行ったり来たりする子どもたちの心と重なります。
この時期の子どもたちは、やりたい遊びをとことん楽しみ、夢中になって遊んでいます。先日も、園庭で遊んでいた女児が私のところにやってきて「えんちょうせんせい これは“ばしゃ”なんよ わたしはプリンセスだからね」と声をかけてくれました。「すてきな“ばしゃ”だね～ わたしものりたいよ！」と言うと「プリンセスになったらのれるよ～」と颯爽と馬車に乗って行ってしまいました。その様子はまさにプリンセスが馬車に乗ってお城へ帰るようでした。こんな短いエピソードですが、とても幸せな気持ちになりました。子どもの世界に招いてもらい、ファンタジーな気持ちを共有させてもらえることの嬉しさも感じました。
先日のクラス会では、保護者の皆様と共にお子様の成長を分かちあうことができました。ありがとうございました。皆様のお話を伺いながら、子どもたちがお家の方に愛されて慈しまれていることを感じました。また、本園の保育をご理解くださりお支えいただいていることにも心から感謝しております。子どもたちは幼稚園生活を通して、喜びあい、分かちあい、時には衝突しながら、友だちや先生たちと同じ時を過ごしてきました。そして、葛藤や喧嘩も繰り返しながら、思い悩み、考え、他者の存在を受け入れ、理解し合うことで、他者と共に生きる力を育んでいったと思います。たくさんの成功体験と時には挫折も繰り返しながら、友だちと一緒に成長した子どもたちでした。お互いを認め合い、助け合い、赦しあって、その時その時心を動かしながら育ちあってきました。その経験からお互いを知り、尊重できるようにもなりました。もちろん、他者を尊重できるようになるためには、一人ひとりが“自分を信じる”“自分を大好きでいる”ことが大切です。これからも、一人ひとりがかけがえのない存在として、与えられた賜物を生かしつつ、互いに認め合い、分かち合える、そんな聖モニカ幼稚園でありたいと思います。
今年も子どもたちから教わることがたくさんあり、いろいろなことを気づかせてもらい、感謝の一年でした。ありがとうございました。就学する子どもたち、進級する子どもたち、環境の変わる子どもたち…すべての子どもたちに嬉しい春となりますように…♪
園長 松尾 栄理香
