2022.03.01

3月のたより

『三寒四温』とは、移り行く季節をうまく表現した言葉だとしみじみ感じています。暖かくなったと思っていたら例年になく雪が舞った2月でした。そんな中でも、春を感じる場面が増えていくことに心は温かくなります。先日、園庭で遊んでいる女児が「えんちょうせんせい きのめみつけた!」と知らせてくれたので一緒に行ってみると、桜の枝に寒さに耐えながらも春の訪れを待っているつぼみがありました。また、冬の間ひっそりと身を隠していた“だんごむし”に出会い、心躍らせている子どももいました。子どもたちが一つずつ大きくなって、新しい生活がスタートする嬉しい春はもうすぐですね。

この1年を振りかえった時、早かったような、また1年前がずいぶんと前のことだったようにも感じられます。今年もコロナ禍の中での保育となり、様々なことが変更になったり、延期になったりしました。目に見えないものに不安になることも多々ありましたが、“子どもたちの笑顔”に、“今を生きている姿”に何度も支えられました。子どもたちも、“友だちと会えること、友だちと一緒に過ごすこと”で、どれだけ心が慰めされたことでしょう。コロナ禍にあっては、他者とのコミュニケーションを取ることが困難な場面が多くなってきました。幼稚園でも感染が拡大している時期には異年齢との交流を控えることもありましたが、自分のクラスだけではなく他のクラスの友だちの存在も大切にしながら、日々の生活を積み重ねてきました。自分より小さい友だちには、お世話をしたり譲ってあげたり、お兄ちゃんお姉ちゃんにやさしくしてもらったり、一緒に遊んでもらったりしました。毎日の繰り返しの生活の中で、友だちとの交わりを深め、互いに理解し合い育ち合っていきながら、信頼関係を育んでいきました。その“信頼”が子どもたちの安心へとつながっていったと感じています。集団生活や友だちとの交わりの中では楽しいこと、嬉しいことだけではなかったと思います。悲しいことや悔しいことも経験した子どもたちです。だからこそ、他者の気持ちにも気づくこともできるし、いろいろなことを感じることができるのだと思います。『心を動かし、感じること』それこそが聖モニカ幼稚園が大切にしている『心を育てる』保育となります。子どもたちは、私たちが思う以上に友だちと認め合い、許し合い、尊重し合っています。そんな大切なことに、今年もたくさん気づかせてもらいました。

今年も年中組の子どもたちがリーダーになって、卒園する年長組さんに今までの感謝を伝える『ありがとうの会』の準備が始まりました。これまでお世話してもらった小さいクラスの子どもだちが、お兄ちゃんお姉ちゃんのことを想いながら準備をする姿はとても愛おしいです。毎年開かれるこの『ありがとうの会』は、“ありがとう”のバトンを繋いでいっているように感じています。年長児にはたくさんの“ありがとう”を抱えて新たな一歩を踏み出してほしい、年中・年少・すずらん組の子どもたちには、また次の世代に“ありがとう”を繋いでいってほしいと願いながら、年度末を迎えています。今年度も残り少なくなりましたが、友だちや先生と過ごせる毎日を喜び、安心して希望に満ちた笑顔が園全体に広がるよう、楽しい日々を送りたいと思います。

園長 松尾 栄理香