2020.06.01

6月のたより

 園庭の木々の緑は深まり、季節はすっかり初夏となりました。2020年度が始まって2か月足らずが経ちました。新型コロナウイルス感染拡大により、長い間自粛生活が続きました。緊急事態宣言も解除され、外出自粛要請も解除となり、“元通りの生活を取り戻す”とまではいきませんが、徐々に日常の生活を取り戻しつつあります。ようやく聖モニカ幼稚園にもたくさんの子どもたちの笑顔が戻ってくることに心から感謝し、嬉しく思っています。さまざまな場面で、『新しい生活様式』という言葉が聞かれるようになりました。これまであたりまえだったことが、そうではなくなることも、これからはたくさんあると思います。今、置かれている場所で与えられた環境の中で過ごしていくことが、これからの“あたりまえ”となっていくのでしょう。
 自粛生活の間、皆さんは何を感じておられたでしょうか?感染拡大防止のため、不要不急の外出を控える中、在宅勤務やオンラインでのつながり、また様々なお店が休業となったり、営業時間が短くなったりと、あたりまえの日常生活が送れなくなり、不安や混乱を覚える方も多かったのではないでしょうか?私は、正直、困惑する場面もたくさんありました。ただ、自粛生活があたりまえになり生活のスタイルが変わってくると、『見えなかったものが見えてくる』『気付かなかったことに気づくようになる』『必要だと思っていたことが不要である』と感じることがありました。「この事態は、新型コロナウイスルとの戦争だ」と言った人がいました。私は勝つ・負けるがともなうこの“戦争”と言う表現に違和感を感じていました。目に見えない物に怯える日々、そして過剰な恐怖を心に覚えることは、時に人の心をむしばんでしまいます。今後も決してなくなることはないであろう様々なウイルスを“正しく恐れ”、共存していくすべを身につけて行くことが大切だと思います。
ステイホームの期間中、子どもたちはお家の方々との時間をたっぷりと過ごしたことでしょう。久しぶりに会った子どもたちは幾分大きく見えました。新年度が始まる!!といったところで、登園自粛となりましたので、子どもたちも混乱したことと思います。そして、幼稚園の再開は悲喜こもごもだと思いますが、聖モニカ幼稚園の園庭には、びわの実が色づきはじめ、ジューンベリーの実がみのり、シロツメ草がグングンと生長し、小さな虫たちが活発に活動し、子どもたちの心を揺さぶっています。
新しい環境の中で、子どもたち一人ひとりが心豊かに過ごせる時間を、共に積み重ねて行きたいと思います。

 《ミニエピソード》色水を作ろうと、ビニール袋に水とビオラの花を入れて袋をもみもみしても一向に色が変わらない水を見て「いろがでない…」と見せてくれました。その表情は不思議そうでもあり、少し不満そうでもありました。昨年、朝顔の花で色水作りを経験しているので、腑に落ちなかったのかもしれません。「どうしてかね?」と声をかけると「おはながすくなかった?」と首をかしげていました。もちろん、結論は出ませんが、「どうして?」と感じる体験をこれからもたくさんして欲しいと思う瞬間でした。

園長 松尾 栄理香