暖冬といわれていましたが、一年で最も寒い大寒を過ぎたあたりから急に真冬の寒さとなり、日本列島を大きな寒波が包み込み、広島市内でも積雪がありました。聖モニカ幼稚園のウッドデッキの上にも真っ白な雪が積もり、登園してくる子どもたちの中には目の前に広がる景色に目を輝かせてウッドデッキに一目散!という姿もたくさん見られました。この貴重な機会を子どもたちと楽しむべく雪遊びをしました。短い時間でしたが、雪をかき集めたり、コロコロと雪玉を作ったり、雪すべりをしたり、かき氷をつくったりと雪と戯れる子どもたちの姿は、生き生きとしていました。翌日も、早朝はウッドデッキの上にうっすらと雪が積もっていましたが、お日さまが出ていたので子どもたちが登園してくる頃には、解けてしまいました。太陽が雪に反射してキラキラと輝き、前日には見ることのできなかった世界が広がっていたので、子どもたちにも見せてあげたかったです。また、プランターに残っている雪をみて「なんでここだけゆきがのこっとるん?」と口にする子どもがいました。その言葉を聴き、私自身も『何でだろう?』と疑問を持ち、調べてみると、『ウッドデッキでは、解けた雪がデッキに溜って熱を伝えやすくなるため早く解ける。土や植物の上だと融けた雪を土が吸い込み、土と雪の間に隙間ができて熱の伝わりが悪くなるため、プランターに積もった雪が解けにくい』ということでした。この子どもの“つぶやき”がなければ、疑問に思うことも、調べることもなく、何となく過ぎていったことと思います。
プランターの球根の芽が少しずつ伸びていく様子に関心を寄せ、登園するとプランターのチューリップの生長に思いを寄せている姿もよく見かけます。ある朝「なにいろのちゅーりっぷがさくかね~?」と尋ねたところ、すぐに「にじいろ!」という返答がありました。『赤とか黄色とかいうのかな~』と勝手に思っていたので、その言葉にはっとしましたが「にじいろのちゅーりっぷ たのしみだね~」と言葉をかわしながら、幸せな気持ちになりました。子どもたちとの関わりによって、日常の中に新たな発見や学び、感動があることを改めて感じ、子どもたちと共に過ごせることに感謝したいと思っています。
先日、お家でのエピソードを聞かせていただく機会がありました。少し悲しいできごとがありお母さんが涙を流していたところ、そのお子さんが傍に来て「だいじょうぶだよ」と言って頭をなでてくれた後、『ひとりひとりのなをよんで♪』を歌ってくれたそうです。お子様の優しい姿に触れ、お母様の心が癒され、今でも思い出すと涙が出るとおっしゃっていました。この素敵なお話をきいて、 “寄り添う” とはこういうことだと教えてもらったような気がしました。そして、子どもたちの中にイエス様が宿っていることを嬉しく思いました。 現在、Love&Peaseコンサートに向けて準備を進めています。3歳児クラスの集いの時間、子どもたちと、“愛”や“平和”について話し合う中で、(愛って)「お父さんやお母さんが大好き!」「大好きって嬉しいことだから、“ありがとう”って言う。」(平和って)「ともだちとあそべること」「うれしいしきもちですごすこと」「ごはんをたべられること」「さっきはごめんねっていう」など、小さな体で思うことや感じることを素直な気持ちで伝えてくれました。そんな子どもたちの思いを聴きながら、子どもたちの心の中は平和でいっぱいなんだな~としみじみ感じています。
『ひとりひとりのなをよんで あいしてくださるイエスさま どんなにちいさなわたしでも おぼえてくださるイエスさま ひとりひとりをあいされて うれしいときにはよろこびを かなしいときにはなぐさめを あたえてくださるイエスさま』 (幼児さんびかⅡより) |
園長 松尾 栄理香