今年の夏も猛暑となり、連日のように熱中症警戒アラートが発令される日々でした。例年にないとされるこの暑さも、「もはや異常気象ではなく、これが当たり前になる…」というニュースもよく耳にしました。また、最高気温が毎年1~2度ほど上昇するとも言われています。この“異常気象”は、今年も各地に大きな被害をもたらしました。お盆に、東海道山陽新幹線が不通となり、台風が去った後もその影響は残りました。駅構内では二次被害が起こらないかと心配するほど、大混乱が起こり、その様子が報道されていました。駅で足止めとなった方々、予定変更を余儀なくされた方々の大変さを思うと計り知れないものがあります。ただ、一方でこの緊急事態に徹夜で対応された方々がいらっしゃることも忘れてはいけないと思いました。
まだまだ残暑が厳しい日が続きそうですが、園庭であれほど大合唱していた蝉の鳴き声もパタリとなくなり、「リーン」「リーン」と園内に広がるスズムシの音色に季節が巡っていることを感じています。夏期保育に久しぶりに登園した子どもたちが、「スズムシがおおきくなったよね⁈」「リーン リーンってないとる」「いつから ないとるん?」「すずむしはね、こうやってはねとはねをこすってなくんだよ」と身振り手振りで話してくれました。夏休みに入る時には小さかったスズムシも、この夏の間に脱皮を繰り返して成虫になり、きれいな音色を聞かせてくれるようになりました。小さな命に関心を寄せ、心を震わせる子どもたちの姿を愛おしく感じています。残念ながら、スズムシの命も終わりの時は来ます。この“ひと夏の命”を通して、自然界の営みや命のつながり・大切さを感じてもらえたらと思います。
今年も『8月6日(広島平和記念日)』を迎えました。今年は、G7広島サミットがあったので例年より“平和”についての話し合いの時を重ねてきました。G7広島サミットが終わったあと、子どもたちから、平和公園へ行った話や原爆ドームを観た話をたくさん聴きました。夏期保育では、それぞれのクラスで、『8月6日のこと』について話し合う時がもたれました。8月6日にお家で式典を観た子どもたちもいて、「ママといっしょにおいのりした」と話してくれました。平和になるために…「おいのりをする」「(戦争があったことを)わすれないこと」「にこにこですごす」「けんかはだめ!ごめんっていう」「なかなおりしたら、うれしくなってまたあそべる」と話してくれたのは子どもたちです。子どもたちの笑顔が守られますように…。広島平和資料館にある『地球平和監視時計』をご存知でしょうか?一番上には現在の時刻が示されていて、その下には広島への原爆投下からの日数が表されています。これからも、この日数が刻まれ続けますように…。
園長 松尾 栄理香