2023.04.03

4月のたより

桜が満開の時を迎え、街がさくら色に染まり、うれしい春の訪れとなりました。幼稚園の園庭には色とりどりのチューリップやビオラの花たちが咲き誇り、新しい春をお祝いしてくれているようです。繰り返される春ですが毎年その様は異なり、それは、新年度を迎える幼稚園の表情も同様です。毎年、子どもたち一人ひとり違っていて、クラスの雰囲気も園全体の様子もその年どしです。今年も、新たな出会いに、たくさんの出会いに感謝しています。
4月の幼稚園は悲喜こもごも。子どもたちにとって、また保護者の皆様にとっても、新しい生活に楽しみな気持ちが膨らむ一方、不安や緊張も伴い、複雑な心境のことと思います。子どもたち一人ひとりが、神さまのお恵みの中で、安心して過ごすことができるよう、心豊かな日々を丁寧に積み重ねていきたいと思います。
先日、子どもたちのお花見に混ぜてもらいました。「そと(園庭)でたべるのはじめて!」「おいしいね~」「かぜがふいてきもちいい」などとおしゃべりしながら桜の木の下で食べるお弁当は一段と美味しく感じられました。
『「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではないと堅く信じています。子どもたちが、出会う事実のひとつひとつが、やがて知識や知恵を生み出す種だとしたら、様々な情緒や豊かな感受性は、この種をはぐくむ肥沃な土壌です。幼い子ども時代は、この土壌を耕すときです。(*)』とレイチェル・カーソンが述べています。これからの一年も、子どもたちが心を動かし“感じる”体験がたくさんできるように環境を整え、種子に備わる“子どもたちが自分で育つ力”を育んでいけるよう励み、子どもたちのキラリと光る感性に今年もたくさん出会えることを楽しみにしています。

園長 松尾 栄理香
(*)レイチェル・カーソン「センス・オブ・ワンダー」より