2学期が始まりました。まだまだ残暑が厳しく、猛暑の日が続いていますが、スズムシの音色は幾分涼しさを運んでくれますね。聖モニカ幼稚園のお部屋では、昨年スズムシおじさん(松本さん)から託されたスズムシの命が繋がり、たくさんのスズムシが生まれました。この小さな命を子どもたちと一緒に大切に育てていきます。コロナ禍にあって新しい出会いや発見、感動があることを心に留め、過ごしていきたいと思います。今年は、コロナ禍の中始まった夏休みでした。コロナウイルス感染の拡大防止のため、旅行や遠出が自粛され、例年とは異なる夏休みを過ごされたのではないでしょうか?ある朝、「毎年夏休みにはおばあちゃんの家に行っていたが、今年はコロナウイルスの影響で行くことができなかった。その代わりに家族で自転車に乗ってスカイツリーに行った。初めて夕陽を見て、感動した!!」と意気揚々と話す男の子の映像を観ました。この言葉を聞いた時、その男の子の感動が伝わってきて心が熱くなりました。テレビでは連日、コロナウイルス感染のニュースばかりが放送されて、その報道に少し疲れを感じていたので、男の子の感動に救われた思いでした。新しい生活様式の中、窮屈さを感じ、願い通りに進まないこともあると思いますが、
それぞれのお部屋では、夏休みの経験や思い出を分かち合う時があります。8月6日は“広島平和記念日”、8月9日は“長崎原爆の日”、それぞれ原爆が投下され、たくさんの命が一瞬にして奪われた日です。広島で育った私は、当然のようにこの両日を知っていますが、原爆が投下された日がいつなのか知らない人がいることに衝撃を受けたことを覚えています。先日、年少組のクラスで『平和』について子どもたちと話をした様子を担任から聞きました。『原爆ドーム』の写真を観ながら原爆が落とされた話をした後、「けんかはダメだよね」「ごめんねっていったらよかった」「にこにこしているのがうれしい」という声が聞かれ、また『へいわってすてきだね』の絵本を読んだ後、「へいわってどんなことだとおもう?」と尋ねたところ、「ごはんがたべられること」「ばくだんがおちていない いま」「ニコニコえがおでようちえんにきていること」と子どもたちが感じたこと、思ったことを伝えてくれました。子どもたちから教えられることがたくさんあります。笑顔が守られる平和な日々がつづきますようにと祈ります。
園長 松尾 栄理香