広島も梅雨明け宣言がありました。今年は例年と比べると梅雨を実感する日が短かったように感じています。梅雨入りしたものの、前半は、梅雨前線が消滅し、真夏のような気候となり空気感も夏を感じさせるものがありました。ようやく梅雨らしくなったものの、あっという間に梅雨明けとなり、本格的な夏の到来です。毎年、梅雨が明けるのを待っていたかのように蝉が鳴き始めます。数年前、北海道から広島に来た知人が蝉の大合唱に驚き、「暑さが倍増する。この暑さには耐えられない。」と言っていたことを思い出しました。(北海道では蝉がこんなに鳴かないそうです)今年も猛暑の日々となりますので、
子どもたちや先生たちの安全に配慮しながら夏の保育をすすめていきたいと思います。
新年度が始まって3か月が経ちました。毎日の繰り返しの中で新しい環境になじんできた子どもたちです。子どもたちの表情からは、園が安心できる場所になっていることがうかがえます。それは、園という「場」への慣れだけではなく、友だちや先生など様々な人との出会いが安心に結びついてきていること、不安を忘れて過ごせるような「おもしろい」ことや「たのしい」ことにたくさん出会うことができたからだと思います。「おもしろい」「たのしい」ことの積み重ねから新たな発見があり、活動の幅も広がっていると感じています。そんな子どもたちからは「あしたも あそぼうね!」という言葉をよく耳にするようになりました。すると、「うんそうだね。あしたもいっしょにあそぼうね」という返事があります。何気ない会話のようですが、明日につながる未来があり、その未来を楽しみに降園していく子どもたちの姿に心の成長を感じ、嬉しい気持ちが溢れます。
先日、年長組の子どもたちと『ひろしま美術館』を訪問しました。毎年、広島女学院大学の三桝先生のご配慮により美術館を訪問させていただいております。常設展を巡りながらどの絵が好きか尋ねてみると、一人ひとり感じていることも違っていて、いろいろな感性に触れることができます。「バンパイヤーみたいなこのおじさんのえがすき」「ひつじかいさんのえがすき」「このえがいい」「どうして?」尋ねると、「そらがきれい」などと話してくれました。裸体の絵画を観ると「ふくがないじだいのひとなんかね?」「あついからみずあそびするんじゃない」など、絵に心を寄せて話してくれる姿もありました。ピカソの『女の半身像』の絵を鑑賞した時には、「うで(服)がパイナップルみたい」「ひかりがある」「おぼれとるみたい」「なんでめがひとつなのに まゆげがかふたつなん?」などと感じたことや疑問に思ったことを話してくれました。三桝先生が「ピカソさんはいろいろなところ(角度)からみてかいているんだよ。そして、いろんないろをかんじているんだよ。」と子どもたちに伝えてくださいました。本物に触れ、『いろいろな絵を観たり、ワークショップで絵を描いたりしたことが楽しかった』という子どもたちの心に、豊かな感性が芽生えたことを感じました。
園長 松尾 栄理香