今年は、例年になく遅い梅雨入りとなりました。こんなに遅くなると、不思議なもので「やっと梅雨入りしたんだな~」と、どこか安心した気持ちになりました。毎日しとしと、じめじめと雨が続くのが梅雨だと思うのですが、天気予報通りに雨が降らないことも多く、降るとなると警報級の雨量となり、災害が心配になるほどです。やはり、この異常気象は地球の温暖化が影響しているのでしょうか・・・天候不順の日が多いと、思うように水遊びやプール活動ができません。1学期の終園日までに、水遊びやプール遊びが何回できるかな~と思っているところです。
新年度が始まって、3か月が経ちました。いろいろと環境の変化がある中、日々の園生活の中で、子どもたちはいろいろな経験を積み重ねた1学期でした。先生や友だちとの新たな出会いがあり、共に生活するうちに他者を知り、友だちに興味を持ち、安心できる人や居場所を見つけることができるようになりました。そのような経験から人を信じる気持ちや大切にする気持ちが芽生えてきたのではないでしょうか。「あしたもあそぼうね」「あしたもつづきをしようね」という言葉をよく耳にするようになりました。そして、「うんそうだね。あしたもいっしょにあそぼうね。」という会話が聴かれ、何気ないやり取りの中に、明日につながる未来があり、その未来を楽しみに降園していく子どもたちの姿に、心の成長を感じ、うれしい気持ちが溢れます。
今、聖モニカ幼稚園には、どこからともなく遊びに来てくれたサワガニやカミキリムシ、ツマグロヒョウモンの幼虫、主となったアカハライモリなど、様々な生き物がいて子どもたちの心を動かしてくれています。図鑑をみながら、「なにたべるんじゃろ⁈」と調べたり、「おべんとうのごはんあげてもいい?」「はっぱをいれてあげたらいいんじゃない?」などと話したりしながら、ちいさな生き物と触れ合っています。また、今年も鈴虫おじさん(松本さん)から、たくさんの鈴虫をいただきました。小さな小さな鈴虫をみて「なんてかわいいんでしょう」と思わす言葉がでたり「これってアリ?」と言ってみたり、「ちっちゃいね~」と関心を寄せる子どもたちでした。今はまだ小さい鈴虫ですが、これから7回もの脱皮を繰り返して、成虫になるそうです。成虫になると、オスが羽をすり合わせて、「リーン リーン」ときれいな音色を響かせてくれます。5ミリほどの小さな鈴虫が大きくなっていく様子をみながら、命の尊さを感じてもらいたいと思っています。時に、この小さな“いのち”の存在は、子どもたちの心を慰め、安心感を与えてくれます。「みなさん(子どもたち)の命も、ぞうさんのように大きい命も、鈴虫のように小さい命も、みんな同じ“いのち”。大事にしてやってくださいね」と、鈴虫おじさんがおっしゃった言葉が心に残っています。託された“いのち”を子どもたちと一緒に大切に育てていきたいと思います。
園長 松尾 栄理香