日本列島に今季最大の寒波が何度もやってきた2月でした。降雪や積雪の量は私たちの想像を遥かに超えて、ライフラインに影響がでたり、交通機関に影響がでたりと、生活がおびやかされた地域もありました。寒さの中でも、この時期のお日さまの光は私たちの心を和ませてくれますね。3月になると、やわらかな日差しや蕾のふくらみ、球根の芽の生長などからも春の訪れを感じることが多くなります。また、明るくて温かい春に心を弾ませた子どもたちの笑顔と声が、園全体に響き渡るようになり、子どもたちの卒園や進級が近づいていることも感じます。
子どもたちの生活や遊びの中には、嬉しい事ばかりではありません。もちろん笑顔ばかりでもありません。特に集団生活という場においては、さまざまな葛藤の中で生活することも多くあります。不安や寂しさを味わうこともあると思います。しかし、どんな時にも受け止めてくれる友だちや保育者がいることで勇気が与えられたり、安心して過ごす事が出来たりするのだと思います。年長組の子どもたちが、つどいの時間の中で、『そつえんまでにしてみたいこと』を友だちと分かち合いました。すると、「リレーがしたい!」「バルーンがしたい!」「みんなで、えんバスにのっておでかけしたい」「ページェントをしたい」などなど、たくさんの思いを伝えてくれました。どれも友だちと一緒にすることばかりで、友だちや先生たちと一緒に、いろいろなことを分かちあう日々を積み重ねてきたからこその願いだと思います。お互いを認め合い、助け合い、赦しあって、その時その時心を動かしながら過ごし、互いに尊重できるようにもなりました。そして、その根底にあるものは、子どもたち一人ひとりが“自分を信じる”“自分を好きでいる”ことだと思っています。これからも、一人ひとりが、かけがえのない存在として、神さまから与えられた賜物を生かせるように、共に育ち合っていきたいと思います。
今年も年中組の子どもたちがリーダーになって、卒園する年長組さんに今までの感謝を伝える『ありがとうの会』が開かれました。これまでお世話してもらった小さいクラスの子どもたちが、お兄ちゃんお姉ちゃんのことを想いながら準備をする姿はとても愛おしかったです。また、年中組の子どもたちの頼もしさを感じることもできました。この『ありがとうの会』は、“ありがとう”のバトンを繋いでいっているように感じています。年長組の子どもたちにはたくさんの“ありがとう”を抱えて新たな一歩を踏み出してほしい、年中・年少・すずらん組の子どもたちには、また次の世代に“ありがとう”を繋いでいってほしいと願いながら、年度末を迎えています。今年度も残り少なくなりましたが、卒園・進級に向けて一日一日を大切に感謝と喜びをもって、子どもたちと、また保護者の皆様と共に過ごしていきたいと思います。
4月には一人ひとり『新しい生活』が始まります。小学生になる子どもたち。新しいクラスへと進級する子どもたち。都合により幼稚園を変わる子どもたち。そこには希望もあり、緊張もあり新たな出会いがあります。どんな時でも神さまがそばにいてくださることを感じながら、これからも安心して過ごしていけるよう願っています。
園長 松尾 栄理香