一年で最も寒い時期を迎え、大寒といわれる暦のとおり日本列島を大きな寒波が包み込みました。広島の降雪・積雪も例外ではなく、聖モニカ幼稚園も銀世界に…。子どもたちが登園する頃には、お日さまの光が真っ白い雪に反射してキラキラと光り、その様子はとても美しくきれいでした。朝の支度が終わると早々に戸外にでて、雪と戯れる子どもたちの表情も同じくらいキラキラしていました。雪のシャワーを浴びたり、雪投げをしたり、雪だるまを作ったり、かき氷屋さんをしたりと冬の自然を存分に楽しむ子どもたちでした。中でも、ふかふかの雪が積もったウッドデッキをしゃがんで滑り下りる様子は、まるで雪の海を泳いでいるようで、見ているこちらまで楽しくなりました。そんな冬本番の中、「えんちょうせんせいきて」という声に導かれて行ってみると、雪の中からチューリップの球根の芽が顔を出していました。子どもたちは、チューリップの球根の芽が少しずつ伸びていく様子に関心を寄せています。中には、登園すると園庭にあるプランターのチューリップの様子をみるのが日課になっている子どももいて、何か話しかけているようにも感じています。小さな命の芽生えの中に生長の喜びが重なり、春待ち遠しい季節でもあります。まもなく暦の上では立春を迎えますが、寒さはもうしばらく続きそうです。その寒さの中にも、日が長くなったり、植物の生長に気付いたりと、春の兆しに心をとめながら春を待ち望む2月です。
コマ名人さんが来園されて以来、子どもたちはこれまで以上にコマ遊びに夢中になっています。コマ名人さんの様々な妙技に「やっぱりこまめいじんだった」「まるでサーカスみたいだったね」「みやじまでのったロープウェイみたい!」と子どもたちの心も“くるくる”と動いていました。その感じ方は様々で、年齢の低い子どもたちが、ただただ感激して歓声をあげながら観ている一方で、年長組の子どもたちは、真剣な表情で夢中になって観ていました。また、普段はあまり感情を表に出さない子どもが、「すごかった~!」「とにかくぜんぶすごかった!」と大興奮していました。そして、「てがみかきたくなった!」「でも、てがみよりコマのれんしゅうしないと」と心を震わせている姿に、コマ名人さんとの出会いに感謝するばかりでした。
雪と戯れたり、いろいろな人や様々なものに出会ったりしながら、日々心をたくさん動かしている子どもたちの笑顔を見ていると、「この平和な時が守られますように…」と願わずにはいられません。今もなお続いている戦争に、子どもたちは『なぜ戦争がおわらないのか?』『みんなが平和を願っているのに戦争がなくならない』『自分たちは友だちとけんかをしたら仲直りをするけど、仲直りの方法がわからないのかな⁈』といろいろ考えています。そして、「たなばたのねがいごとに“せんそうがおわりますように”ってかく」「せんそうをやめて!と、てがみをかいたらいいよね」と話してくれました。すぐには解決できないかもしれませんが、この小さな願いが、祈りが、どうか届けられますように…。
園長 松尾 栄理香