2025.02.01

2月のたより

 子どもたちが植えたチューリップの球根が少しずつ芽を出していたところに、今年は、どういうわけかカラスがやってきて、『チューリップの球根を土の中から掘り出す』という“いたずら”をしました。そのためか、球根が思うように伸びず心配しています。嬉しい春を迎える頃、ちゅーりっぷが咲いていることを願いつつ、生長を見守っているところです。大寒を迎えましたが、例年よりも温かい日が続きました。「今日は春の陽気となります」という天気予報の通り、空気が春を感じさせる日も数日ありました。一年で一番寒いとされる2月は、地球温暖化と共に、変わりつつあるのかと不安になります。それでも、やはり寒い日には、吐く息の白さに気づいたり、霜や氷などの自然現象に関心を持ったり、自然の不思議さを感じながら春を待ちたいと思っています。

友だちとの絆が深まり、集団で活動することの充実感を味わえるようになった子どもたち。毎年、この時期には“愛”と“平和”を願ってLove & Peaceコンサートが行われます。コンサートの取り組みの中で、それぞれのクラスで“Love(愛)”や“Peace(平和)”について話し合いの時が持たれます。年齢によって感じとることや表現は異なりますが、子どもたちが思っていることを伝え合い、分かち合うことができました。“Love”については『だいすき!』『やさしいきもちになること』『“あい”ってかみさまのごほうびじゃない?』と言ってくれた子どもがいました。また、“Peace”については『みんながなかよしでいること』『せかいじゅうのひとがげんきですごせること』『はんぶんこすること』『あたらしい“いのち”がうまれること』など、ここでは伝えきれないほどたくさんのことを話してくれました。子どもたちが感じるその一つ一つの表現が、とても尊いものであると心に響きました。数年前、同じような話し合いの中で、「自分たちは平和を願って友だちとも仲直りしているよ。お祈りもしているよ。Love & Peaceコンサートもしているのにどうして戦争は終わらないの?」と言った子どもたちの言葉が今もなお、私の心にささっています。安全であると言われていた日本でも、耳を疑うような事件が多発していて、心が痛みます。子どもたちが安心して日々を過ごすために、私たち大人は何をすればよいのでしょうか?何をしなければならないのでしょうか?『どうして争いが起きるのか』を子どもたちと考えた時に、「人のものがほしくなる」「やさしいきもちになれない」「ごめんねがいえない」など、感じているさまざまな気持ちを伝えてくれました。子どもたちを見ていると、集団生活の中で‟基本的信頼関係”が築かれていることを感じています。お互いの違いを認めあうことで築かれた信頼関係を基盤に、先生や友だちと心を通わせ、共に育ってきました。日々の生活の中で、子どもたちは嬉しい事も悲しい事もみんなで分かち合ってきました。この共感性という感情が、相手に対する思いやりを育て、相手の喜びを自分の喜びにすることができ、成長するにつれて、相手の悲しみ、苦しみを思いやることができる感情に発達していくのだそうです。これからも友だちとの交わりを深めて、心を育んでほしいと願っています。『心が育つ幼児期 ~育てよう 子どもたちの心と体を~』子どもたち一人ひとりの自己肯定感が育まれるよう、子どもたちの心に寄り添い、これからも子どもたちと分かち合う日々を積み重ねていきたいと思います。

園長 松尾 栄理香