熱中症警戒アラートが発令されるか、雨が降るかといった日々で戸外遊びが制限された9月でした。雨が降るとなると、警報や避難指示が発令されるなど、極端な天候となりました。毎月モニカだよりに載せる巻頭文。過去のものを読み返してみると一昨年までは10月の巻頭文は、秋の涼しさが感じられたり、澄んだ空に秋の雲が広がっていたりしていました。今年は、となると朝夕が幾分涼しくなったと感じる日もありますが、日中はまだまだ蒸し暑い日が続いています。ただ、少しずつ落ち葉やどんぐりを小さな手に握って登園してくる姿が見られるようになりました。蒸し暑さの中にも秋を感じている一方で、夏が終わりに近づくと鳴く“ツクツクボウシ”の鳴き声が聞こえたりして、「秋なの?夏なの?」と思わずにはいられません。『春・夏・秋・冬』と季節が廻り、四季を感じることはますます困難になっていくのでしょうか?それでも、これからの季節、子どもたちは秋の虫や木の実に落ち葉など、いろいろな“宝物”と一緒に登園する姿が増えてきます。先日、モミジフウ(アメリカフウ)の葉っぱを持ってきてくれた子どもが「えんちょうせんせいのてと どっちがおおきいかみてごらん」と私に差し出してくれました。合わせてみるとちょうど同じぐらいでした。「○○ちゃんのてはどうかな~」と言って、その子どもが葉っぱの上に手を乗せたところ「○○ちゃんのてがちっちゃい。はっぱがおおきいね~」とニコニコした笑顔で話してくれました。葉っぱ一枚でも子どもたちの心はワクワクして、秋の贈り物に心を動かす子どもたちと一緒に過ごせることを幸せに感じています。子どもたちの豊かな感性に嬉しくなる日々です。
運動会の準備が進んでいます。初めてリレーの練習をした日、走っている最中に転んだ子どもがいました。それでも白熱したリレーでしたが、結果、転んだクラスが負けました。それから2日ほど、転んでしまった子どもに元気がなく、リレーの話題になった時に、『自分が転んだから負けてしまった』ということを言ったそうです。それを聞いていた友だちが「なにいっとるん!○○ちゃんのせいじゃないよ」「ちがうよ」と言ったところ、表情が明るくなりました。その通り、敗因はそこではなかったのですが、ずっと気にしていたようです。その子どもたちのやりとりを聞いて嬉しかったことを担任が話してくれました。私もそのエピソードを聞いて心が厚くなりました。毎年、リレーの取り組みの中でいろいろなことが起こります。その度に『子どもたちは私たち大人が思っている以上に心が育っている』ということを感じています。「かわいかった!」「じょうずだった」「かっこよかった」「がんばれ~!」と、友だちを応援したり、声援を送ってもらったりすることは、子どもたちの力になると感じています。その結果ではなく、友だちと一緒にした経験が、たくさんの方からいただいた声援が子どもたちに様々な力を与えてくれると信じています。当日は、皆様の温かい声援を子どもたちに届けていただけると嬉しいです。2学期はいろいろな行事があり、友だちと一緒に経験を重ねることで子どもたちの心は更に大きく育っていくことでしょう。 |
旬の美味しい食材が食卓に並ぶ食欲の秋。不思議がいっぱいの秋。五感を研ぎ澄ませ、さまざまなことに心揺さぶられながら、神さまからのお恵みに感謝して、心も体も豊かな日々を過ごせますように…
園長 松尾 栄理香