2025.01.07

1月のたより

 2学期の終園式の日、いつものように車で登園した子どもに「おはようございます」とあいさつをした際に、顔をよく見ると目には涙がにじんでいました。理由を尋ねたところ応えられない様子で、お母さんが「幼稚園が今日で終わるのがさみしいんよね?」と伝えてくださいました。「そうなんだ。ようちえんたのしいもんね。きょうはおべんとうもあるからおともだちといっぱいあそべるよ。」と声をかけると、「うん。うん。うん。」と何度も相槌をうってくれました。このことを担任に伝えると、お部屋でじっくりとその子どもの気持ちを聞いてくれたようで、「おともだちと もっとあそびたかった。○○くんとあそびたかった。」と話してくれたそうです。新年度、新しい環境の中不安な気持ちがいっぱいで「おかあさんがいい」と言っていたことを懐かしく思い出しました。今ではお母さんを思う気持ちよりも友だちと遊ぶ気持ちが大きくなっていることを嬉しく思うと共に、子どもの成長を感じるできごとでした。子どもたちは、毎日友だちと共に過ごし、様々な行事を一緒に経験していく中で、友だち同士の交わりを深めて、友だちの存在を大切に感じるようになっていきました。その友だちの存在が子どもたちの心を更に豊かにしてくれると信じています。

過日、同窓生のクリスマス会がありました。当日の欠席はあったものの、今年は130名の申し込みがあり、1年生から6年生のたくさんの卒園生が参加してくれました。幼稚園の頃の姿と重ね合わせながら、随分と成長した姿に心が和み、一年に一度、卒園生が帰ってきてくれることを、私たち職員もとても楽しみにしています。クリスマス会が終わった後、お迎えに来られた保護者の方から、「同窓生クリスマス会は小学生までの参加ですか?」とお尋ねがありました。毎年、子どもたちからもそんな質問があります。『同窓生クリスマス会は中学生になっても、高校生になっても来てもらえると嬉しい』ということをお伝えすると、とても喜んでくださいました。そして「ありがとうございます。モニカ幼稚園に来るのがとても楽しみなんです。子どもも私も、ここにくるとすごく癒されるんです」とおっしゃってくださいました。

また、別の保護者の方からは、「息子が幼稚園の帽子(制帽)を絶対に捨てないで!誰にもあげないで!」というので、理由をたずねると、「これは(帽子)園長先生なんだよ」と話してくれたというのです。深く話をきくと『園長先生が、毎日帰る時に「さようなら またあした」と言って頭をポンポンしてくれたことが今でも心に残っている』と話してくれたそうです。お母さんは、『我が子が「さようなら」という言葉がでなくて心配していたけど、いつも「うん、うん、だいじょうぶだよ わかってるよ」と言ってくださった園長先生のことをそんな風に大切に思っていること知って嬉しかった』ということをお話ししてくださいました。卒園してからも、聖モニカ幼稚園のことを感じたり、思いを寄せてくれていたりすることに心が温まり、本当にうれしい気持ちになりました。

新しい年を迎えるとなんだか心が凛とします。2025年が子どもたちにとっても、保護者の皆様にとっても笑顔あふれる心豊かな一年となりますようお祈りしております。

園長 松尾 栄理香