2023.01.05

1月のたより

子ども達が「あけましておめでとうございます」と少し照れ臭そうにあいさつをしながら登園してきます。3学期が始まるまでにいろいろな生活の場面で新年のあいさつを交わしたことでしょう。冬休みの間に、家庭でのクリスマス、年末年始の行事を過ごした子どもたちは、夏休み明けとはまた違った表情を見せ、心も体も一段とたくましくなっています。
新しい年が、皆様にとって笑顔あふれる心豊かな一年となりますように、お祈りしております。

2学期は様々な行事があり、子どもたちはその一つひとつを友だちと一緒に経験してきました。そうした生活の中で、仲間との関わりを深め、仲間の存在を大切に感じるようになりました。時に、子どもたちは大人以上に友だち一人ひとりの個性を理解して、相手を気遣ったり思いやったりと、友だちの気持ちに寄り添おうとする姿が見られます。
3歳児クラスでのことです。気持ちがもやもやしていたある女児が、ままごとコーナーで友だちが遊んでいたものをいきなり机の上から払い落してしまいました。突然の出来事に、ままごとで遊んでいた子どもはびっくりしたのと悲しさで涙が出ました。その女児は、友だちが泣いた様子を見ても、自分は悪くない!と言わんばかりに眉間にしわを寄せてもやもやした気持ちを抑えられない様子でした。そこへ別の子どもがやってきて、その女児が持っていたおままごとのコップを落してしまいました。(その子どもに悪気はありません。たまたま当たってしまったのです)すると、コップを落されたその女児は、ここぞとばかりに大声で泣き始めたのです。担任が、「いまどんなきもち? 〇〇ちゃんは(ままごとで遊んでいた子ども)△△ちゃん(もやもやしていた子ども)とおなじかおしてるよ」と声をかけると、その女児はハッとした表情をしました。その様子を少し離れたところから見ていた男児がやってきて、落ちたコップやままごとの用具を拾いニコッと笑って「はい、これでなかなおり。」と声をかけました。すると、泣いていた二人とも笑顔になり仲直りができました。担任の、それぞれの子どもの気持ちを大切にした言葉がけ、そして何より最後は友だちが仲介役となり笑顔で解決できたことがとても嬉しかったです。と同時に、そこにそれぞれの信頼関係の絆を感じました。改めて、大好きな人、信頼できる人の言葉はスーッと心に響いてくるものだと感じました。大人だったら、私だったらこんな平和的解決ができるでしょうか…???また一つ、子どもたちから学んだエピソードでした。
3学期になると、より一層クラスがまとまり、仲間意識が高まっていきます。子どもたち同士、一人ひとりの個性や能力を認め合って、その集団はまるで家族のようです。これからも、子どもたちが仲間と過ごす時間が、更に楽しく豊かになるよう支えていきたいと思います。
園長 松尾 栄理香