各地で真夏日となり、風薫る5月というより“夏”を感じる日もあった5月でした。また、雨が降れば警報が発令されたり、「熱中症にお気をつけください」というニュースを耳にする日があったり、まだ“5月よね⁈”と思うこともありました。年々季節が早く巡っているような気がして、日本の四季はどうなったんだろうと心配になる日々です。これらの現象は地球温暖化に原因があるのでしょうか?急な気温の上昇に、体もついていけず、特に子どもたちは遊びに夢中になると顔を真っ赤にして遊んでいます。体温調整がうまくできない子どもたちの体調管理に留意して、健康に過ごしていきたいと思います。これからの季節、子どもたちが植えた植物が恵みの雨や太陽の光を浴びてぐんぐんと生長していきます。それは、新しい環境に慣れて、安心して過ごせるようになり、たくさんのことを吸収していく子どもたちの姿と重なります。大人にとっては、じめじめとした梅雨はうっとおしくて憂鬱な気分になりますが、子どもたちはその雨ですら楽しみます。子どもって、どうして雨が降る中、かけ出していくんでしょうね?どうして、水たまりのなかに脚を踏み入れるんでしょうね?雨と戯れる子どもたちはどんな気持ちなのか、子どもたちの心を覗いてみたくなります。
合同礼拝で、永野チャプレンから『天地創造』のお話を聞きました。『神はご自分にかたどって人を創造された。神にかたどって創造された。男と女に創造された。神は彼らを祝福して言われた。「産めよ、増えよ、地に満ちて地を従わせよ。海の魚、空の鳥、地の上を這う生き物すべてを支配せよ。」(中略)神はお造りになったすべてのものをご覧になった。見よ、それは極めて良かった。』(創世記1:27∼31)『「みんなつくられたんだって!どこがよかったんかね?」と自分の体を触りながら隣の友だちに伝えると、その友だちがお腹をポンポンと叩きながら「よかったんだよ!」としみじみとうなずいていた』という出来事をあるクラスの担任がニコニコしながら話してくれました。なんて素敵なエピソードでしょう。『天地創造』のお話を通して改めて自分の存在を確認し、その大切さに気づき、「よかったんだよ」と自分を肯定できる素直さ、心の柔軟さに嬉しくなりました。そんな子どもたちの過ごす日常が、どうか平和でありますように…。先日のG7広島サミットの開催にあたり、様々な意見もありますが、聖モニカ幼稚園では、子どもたちと世界に目を向けて『平和』について分かち合う時を持つことができました。子どもたちの多くは、広島に原爆が落とされたことも知っていて、年長の子どもたちからは「ひろしまにいちばんでかいばくだんがおちた」「むかし、せんそうしとったけど、いまはなかよしだからおはなしもできるようになった」という言葉が聞かれました。平和になるためには、「“いっしょにあそぼ!”」って言う」「困っている人がいたら助けてあげる」「“ごめんね”って言う」「おいのりする」など、子どもたちが示してくれているように、まずは身近なところからできることを積み重ねていくことが大切なことだと感じています。すぐに解決できることではないと思いますが、子どもたちがあきらめることなく、希望をもって過ごせる世界でありたいと心から願っています。
園長 松尾 栄理香