聖モニカ幼稚園には、子どもたちと先生との話し合いによって、いろいろな野菜やお花が植えられています。トマトにきゅうりになすび…と例年と同様の夏野菜が並ぶなかで、今年は目新しいものがありました。なんとそれは『ねぎ』です。もちろん、子どもたちからの声で決まったそうですが、『ねぎ』とはなんとも渋いチョイスだなと感心しました。「ごまみたい!」と子どもたちが言うように、ねぎの種はまるで“ごま”のようでした。
登園時には、プランターの植物にあいさつでもするかのように近寄って、様子を見たり、小さい変化に気づいたりする子どももいます。生長していく過程で病気になったり、害虫にやられたりすることもあります。また、鳥に食べられたり、水をやりすぎたり、反対に水不足だったりしてうまく育たないこともあります。そんな時は子どもたちと「どうしてそうなったのか?」話し合ったり、「これからどうしたらいいのか」考えたりして、子どもたちにとってはそれも大切な経験だと思っています。様々な植物のこれからの生長が楽しみです。また、園庭には、実のなる木が幾つかあります。毎年いち早く実るのは『ジューンベリー』です。今年は豊作のようで例年よりも大きな実がたくさん実っています。色づいたジューンベリーの実は子どもたちの心を動かし、「食べたい!」という気持ちが全身からあふれています。この食に対する意欲を感じる時、子どもたちの生きる力を感じるものです。間もなく、『ブルーベリー』や『びわ』が収穫の時を迎えます。これからの季節、初夏の味覚を堪能できることにワクワクしています。 植物にしても小さな虫たちにしても、この命あるものへの関心が高いことに、命の尊さを感じています。 「日本に春と秋がなくなった」と天気予報のキャスターが言っているのを耳にしました。正にその通りで、さわやかな風薫る季節が短く、5月でも夏日となることや真夏日となる地域もありました。暑さは体力を消耗してしまいます。暑さに加えて湿度も高くなるとじめじめと蒸し暑く更に疲労感が増して憂鬱な気持ちになります。今年のように急に暑くなると、身体が気温の変化について行けず、小さい子どもたちは疲れがたまりやすくなります。健康に過ごすためにも、十分な休息・睡眠とバランスの良い食事をとって健康管理に留意していきましょう。特に睡眠は子どもにとって、とても大切なものです。3歳から5歳の幼児は10時間から13時間の睡眠が必要だと言われていますが、日本の子どもたちは睡眠不足と言われています。睡眠は、心身の疲労の回復と、ホルモンの分泌においても不可欠なものです。幼児は、自分の体のことをうまく言葉で表すことができないので、機嫌が悪くなったり、友だちとのトラブルも増えたりすることがあります。子どもたちが、心と体をしっかりと動かして健康に楽しく過ごすためにも、園生活では心地いい疲労感を感じられるように、ご家庭では十分な睡眠がとれるように、生活リズムの環境を整えていけたらと思います。ご協力をお願いいたします。 初夏から夏へと季節が巡る過程で、いろいろなことに気付き、感じ、吸収し、たくさんの知識を得ながら成長していく子どもたちのたくましさをうらやましく思うことがあります。雨の日には長靴を履いて、水たまりに入ってバシャバシャと水しぶきを上げて喜んだり、雨の音の変化に気付いたりと、子どもたちの顔が輝きます。子どもたちのように、雨を楽しめる心のゆとりを持ちたいものです。 園長 松尾 栄理香
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