2024.03.01

3がつのたより

♪きゅうこんのなかには はながひめられ さなぎのなかからいのちはばたく さむいふゆのなか はるはめざめる そのときをただ かみがしる♪(こどもさんびかより)

冷たい空気の中にもやわらかな春の陽ざしを感じる頃となりました。春の目覚めと共に、子どもたちは卒園や進級に

むけて一つの区切りを経験します。この春、子どもたち一人ひとり、どんな花を咲かせるのでしょうか?

子どもたちが咲かせる花、皆さんにはどのように映るのでしょうか?

 

子どもたちは、この一年間、喜びあい、分かち合い、時には衝突をし、友だちや先生たちと同じ時を過ごしてきました。それぞれが異なった環境の中、文化の中で生活しており、一人ひとりの個性は違っています。兄弟姉妹でも誰一人として全く同じ環境で育まれることはありません。子どもたちは友だちと遊びながら、その交わりの中で自分と他者との違いを知っていきます。集団生活の中では、時に葛藤や喧嘩を繰り返すこともあります。その度に、子どもたちは思い悩み、考え、他者の存在を受け入れ、理解し折り合いをつけることで他者と共に生きる力が育まれていると感じています。幼稚園生活は、同じことの繰り返しです。子どもたちは、その日々の積み重ねの中で少しずつ成長しています。

友だちと一緒に様々なことを感じ、心を動かしてきた2023年度。今ではクラスの友だちのことを深く理解し、友だちの“好きなこと”“好きなもの”“得意なこと”“喜ぶこと”をよく知っています。そして、友だちの“素敵なところ”を素直に受け止めることができるようにもなってきました。先日のクラス会では、保護者の皆様から、お子様が「〇〇ちゃんのやさしいところがすき!」「〇〇くんは、○○がとくいですごいんよ!」と話してくれたことを伝えてくださいました。また、互いに認め合う関係になると、自分の気持ちを素直に伝えることができるようになります。友だちの言動に疑問を感じた時、友だちの誤りに気付いた時、「自分はこう思う。こうしたい。」「それは間違っている。」と言えることはとても大切です。年齢を重ねると子どもたちのように、『素直な心で観る目』を失いつつあるように感じることがあります。目の前にいる子どもたちは、人として生きるべき姿を示してくれているようです。子どもたちは、本当に友だちの素敵なところや良いところを見つけることが得意です。きっとそれは、子どもたちの心が美しいからだと思います。子どもたちと一緒にいると、日々教えられることがたくさんあります。

4月からは一人ひとり『新しい生活』が始まります。小学生になる子どもたち。新しいクラスへと進級する子どもたち。都合により幼稚園を変わる子どもたち。そこには希望もあり、緊張もあり、新たな出会いもあります。どんな時でも神さまが共にいてくださることを感じながら、これからも安心して過ごしていけるよう願っています。

一年間の神さまのお恵みに、保護者の皆様のお支えに感謝いたします。

 

園長 松尾 栄理香